目次
🐾 はじめに:骨折したペットと向き合う飼い主さんへ
「うちの子が骨折してしまった……」
そんなとき、飼い主さんにとって一番不安なのは、
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「どれくらい痛いの?」
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「ちゃんと治るの?」
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「費用は?」
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「どこの病院に頼めばいい?」
という“たくさんの不確実性”です。
当院では、そうした不安を少しでも取り除くために、手術の安全性・正確性を高めるための新しい取り組みとして、3Dプリンターでの骨模型作成を行っています。
今回は、実際に当院で行った「3D模型を活用した整形外科手術」の症例をご紹介します。
🦴 実際の症例:前肢橈尺骨骨折の小型犬
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動物種:雑種猫
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年齢:10歳
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受傷状況:外から帰ってきたら、後ろ足が動かない
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診断:骨盤骨折
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治療法:プレートによる内固定術
🛠 3Dプリント模型を使った準備の内容
この症例では、術前にCT撮影を行い、得られた骨のデータをもとに3Dプリンターで実寸大の骨模型を作成しました。
実際に行ったこと:
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骨模型上で、使用予定のプレートをあらかじめ曲げてフィットさせておく
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ネジの位置や長さの仮決定
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必要な器具を事前に選定・準備
⏱ 手術時間の短縮とその効果
通常このような手術では、骨片の整復やインプラントの調整に時間がかかることがあります。
しかしこの症例では、術前の準備によって手術時間が約40分短縮(従来比で約半分)されました。
これは、
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麻酔時間の短縮
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出血量の軽減
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術中トラブルの回避
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回復時間の短縮
などに直結する大きなメリットです。
👀 飼い主さんの安心にもつながりました
このような「見える化」は、医療の安全性を高めるだけでなく、飼い主さんへの説明にも大きく役立ちます。
実際に、飼い主さまからもこんな声をいただきました。
「これがうちの子の骨なんですね。どこが折れているか一目でわかりました」
「手術内容を模型で説明してもらえて、本当に安心できました」
🏥 当院の取り組みと今後の展望
当院では現在、整形外科手術(特に骨折・関節手術)の際に、必要に応じて3D模型の活用を行っています。
また、手術の安全性だけでなく、術後の回復や飼い主さまの納得感も重視した医療を提供しています。
📩 おわりに:骨折や整形外科のご相談はお気軽に
「手術が必要って言われたけど不安…」
「セカンドオピニオンを聞きたい」
「うちの子も3Dプリンターで説明してくれるの?」
そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。
最先端の技術と豊富な整形外科経験で、安心の医療を提供いたします。
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著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士
日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医
愛犬が心臓病と診断されたとき、どう付き合えばいいか迷ったら、ぜひ一度ご相談ください。
当院は日本動物病院協会(JAHA)から認定を受けている動物病院です。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。