スコティッシュフォールドは、純血種の猫ちゃんの中では日本で飼育されることの多い猫種です。
スコティッシュフォールドは特徴的な俺耳がかわいらしい一方で、遺伝的な病気や関節疾患に起因する健康問題が認められることがあります。
この記事では、他の猫種と比較してスコティッシュフォールドが罹患しやすい疾患について紹介していきます。
骨軟骨異形成症(FOCD)
外見的な見分け方としては、俺耳に関連している遺伝子で、耳以外にも骨や関節の異常が発生しやすい病気です。
四肢の変形や痛み、病状がひどいと歩行困難や関節の腫脹が生じたりすることもあります。
遺伝的リスクが高いため、早期発見と緩和ケアを実施していくことが重要です。
関節炎
骨軟骨異形成症に伴って発生することが多い疾患です。
その他の猫種でも高齢になると発生しますが、スコティッシュフォールドの場合にはより早期から発症する傾向にあります。
動きが鈍くなったり、体を触られると痛がったり、怒りっぽくなったりします。また、グルーミングがうまくできずに、フケや毛玉が多くなったりすることもあります。
体が痛くても動きが減るのみの場合には発見することが難しい場合もあります。獣医師と相談して痛みの有無を評価してあげましょう。
心疾患
肥大型心筋症は比較的猫に多い心臓病で、真菌が厚くなり血液循環に悪影響を与える疾患です。
症状としては開口呼吸や疲れやすい、頻呼吸などが挙げられます。
猫ちゃんの心疾患は、無症状で経過をたどることが多いため、定期検査を受診して心臓病の疑いの評価をしてあげましょう。
肥満
関節炎が生じた場合には、運動量の低下やストレスによる過食から肥満になりやすくなります。
体重を定期的に測り、運動量と食事量のバランスをとってあげましょう。
尿路結石や膀胱炎
ストレスや感染、食事の影響で尿路の問題を起こしやすいです。
頻尿や血尿、トイレで苦しんでいる様子が認められた場合には、動物病院を受診しましょう。
まとめ
健康管理のポイントとしてはそのほかの猫ちゃんと同様、食事と運動のバランスを考えて、泰淳管理をしてあげることが重要ですが、関節疾患や心疾患は比較的若いうちから隠れて存在している小尾が多いため、スコティッシュフォールドを飼育している場合には症状の発現の前に検査をして素因の有無を評価してあげましょう。
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士
日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。