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犬の体表腫瘍について
猫と比較すると、犬のほうが体表腫瘍ができやすいことが知られています。
また、犬の体表に形成される腫瘍は、確率的には良性腫瘍のほうが多いといわれています。
脂肪腫とは
犬種にもよりますが、一般的には犬の体表に形成されることのある良性腫瘍の中で、脂肪腫は最も一般的に認められるものです。
脂肪腫に種類はあるの?
良性脂肪腫の中でも、一般的な体表の脂肪腫以外にも、筋間脂肪腫があります。また、悪性挙動の脂肪腫では浸潤性脂肪腫や脂肪肉腫があります。
脂肪腫の予防方法は?
特にありません。偶発的に形成されてしまうものです。
どちらかというと肥満個体に多い印象を受けますが、すべての肥満個体に脂肪腫が形成されているわけではなく、また、標準体型の個体であっても脂肪腫が形成されることもよく認められるため、「太っているから脂肪腫ができた」とも言い切ることができません。
削瘦個体で脂肪腫が診断されることは少ない印象を受けます。
脂肪腫は悪性になることはないの?
100%と断言することはできませんが、良性の脂肪腫であると診断されたものが悪性転嫁することは極めてまれであるといえます。
(少なくとも当院では遭遇した事例はありません)
ただし、初期診断の際に、脂肪腫ではないのに「脂肪腫です」と誤診された場合であったり、脂肪腫の付近に別の悪性腫瘍が形成されたケースは遭遇したことがあります。
脂肪腫をなくす方法は?
脂肪ではありますが、ダイエットをしても消失することは通常、ありません。
消失させるには外科的な摘出が第一選択となります。
脂肪腫は手術をするべき?
脂肪腫と診断された場合、次に手術を行うべきかどうかを相談することとなります。
手術を行うかどうかの基準は各動物病院・各獣医師の裁量となります。
私個人の意見としては、脂肪腫が存在することによって本人が生活しづらくなったり、健康に被害が出るような状況であれば摘出を考えます。
まとめ
犬において、脂肪腫は発生率の高い良性腫瘍です。
しかし、安心して経過観察を行うためにも、初期にきちんと診断を下すことが重要といえます。
また、「たかが脂肪腫」とせずに、その影響を適切に評価し、必要であれば脂肪腫であっても外科的に摘出するケースが存在することを知っておくことも大切です。
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士
日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。
当院は日本動物病院協会(JAHA)から認定を受けている動物病院です。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。