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認定医や専門医とは
獣医師国家資格を保有している獣医師の中で、さらに特定の分野に秀でていたり、資格を満たして専門医・認定医資格を取得したものを専門医や認定医と呼称します。
専門医や認定医にはどのような種類がある?
主に学会や協会などの団体が認定を行います。日本ではこれまで獣医師の資格として、国が定める公式の認定医や専門医資格は存在していませんでしたが、2024年7月に農林水産大臣が一部の認定医・専門医資格を認証しました。
認証を受けた認定医資格
(2024年10月時点)
(1)動物臨床医学会(公益財団法人 動物臨床医学研究所)
資格名:獣医総合臨床認定医
(2)一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
資格名:① 動物麻酔基礎技能認定医
② 動物麻酔上級技能認定医
③ 日本小動物外科専門医
(3)一般社団法人 日本獣医がん学会
資格名:① 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種
② 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種
(4)公益社団法人 日本動物病院協会
資格名:① 獣医総合臨床認定医
② 獣医内科認定医
③ 獣医外科認定医
(5)一般社団法人 日本獣医循環器学会
資格名:① 獣医循環器認定医
② 獣医循環器上席認定医
(6)一般社団法人 日本獣医皮膚科学会
資格名:一般社団法人日本獣医皮膚科学会認定医
(7)日本産業動物獣医学会(公益社団法人 日本獣医師会)
資格名:① 乳牛農場管理認定獣医師
② 肉牛農場管理認定獣医師
③ 豚農場管理認定獣医師
認定医や専門医は何が違う?
認定医や専門医は、特別な講習を受けたり、団体ごとに定める取得資格や取得試験をクリアしたものに与えられます。
(各団体によって規定が異なります。)
そのため、保有していない獣医師と比較して、その分野においてはより専門性の高い知識または技術を保有していることが認証されています。
専門医資格などは、よくネット上で「セミナーを受けるだけでも取れる」「持っていてもただの自己満足」などと書かれていることもありますが、そんなことはありません。
認定医資格を取ることは大変?
私が保有している資格の解説しかできませんが、受験資格を得るために、学会発表もしくは論文投稿が必要となります。また、4年間にわたって開催されるセミナーの受講が必要となります。
試験は、800時間程度の自己学習が必要な程度の試験が出されます。
合格率は試験を実施した年度によって0~100%まで様々です。
認定医や専門医の診療を受ける必要がある?
通常の予防であったり、現在の主治医の治療で満足のいく結果が得られている場合には、特に主治医を変更する必要は無いと考えられます。
ただし、「これで正しいんだろうか」「なかなか治らないなぁ」等と、現状の治療に対して疑問を持っている場合には、セカンドオピニオンとして困っている診療科の専門医や認定医に相談してみることは価値のあることだと思います。
まとめ
認定医や専門医は、獣医師が大学卒業後に各団体(組織や協会、学会など)が定める一定のカリキュラムを受け、試験に合格すると得ることができる資格です。
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士
日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。