鼻炎症状を呈する場合には、歯牙疾患による炎症の波及やアレルギー性鼻炎、異物性、腫瘍性の鼻炎等が認められる。犬種・年齢などによって疑わしい原因は異なるが、総合的には歯牙疾患による鼻炎の発生率が最も高いと考えられている。また、口腔内の衛生環境は全身の健康状態にも影響を与えることがヒト医療においても認知されておりますので、口の中はきれいな状態を保つように心掛けてあげましょう。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの口腔外科(歯周病治療)および舌腫瘤切除
検査結果
視診した結果、症例は中~重度の歯周病を患っていた。
鼻炎症状は
上顎犬歯もしくは前臼歯の歯周病が原因と考えられたため、麻酔下で口腔処置をすることとなった。
治療方法
麻酔下で口腔内レントゲンを撮影後、抜歯を行うかの判断をし、処置を行った。
左側処置前
左側処置後
根尖の洗浄および救済することのできないと判断された歯の抜歯を行った。
正面処置前
門歯は扇状に歯列が形成されているため、1本の歯がダメになってしまうと、並んでいる門歯がすべて救済できないレベルになってしまうことが多い。
右側処置後
認められていた舌腫瘤に対しては炭酸ガスレーザーを用いて切除した。
出血は認められなかった。
以下舌腫瘤の病理検査所見ーーー
切除された舌の腫瘤は、線維性ポリープと診断されます。かみ合わせや歯石など慢性的な刺激が加わり形成された、非腫瘍性の反応性病変と考えられます。検索した組織には、特異的な感染や腫瘍性の病変は認められません。今回の摘出により予後は良好と考えられますが、刺激が持続するようであれば、病変の再形成される可能性があります。
治療・術後経過
処置後より鼻炎症状は消失し、食欲も良好であった。
腫瘤の再形成も認められていない。
経過良好
担当医:白井 顕治
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