若齢のペットに認められる門脈シャントは、異常血管ができる位置によっていくつかのパターンがある先天異常の疾患です。シャント血管の太さや位置によって、症状の程度や出る時期は異なります。中には10歳を超えてから診断されるケースもあります。
肝臓で退社されるべきアンモニアなどが血中に多く残存することにより、肝性脳症などの神経症状を出すこともあるため、症状が認められる場合には適切に診断・治療を進める必要がある。
実績詳細
脾静脈ー門脈シャント
種類 | ミックス |
---|---|
年齢 | 0 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 内科 消化器科 |
症状 | 吐く、下痢をする |
症状の概要
検査結果
症例は3か月齢で、おうちに来て数日後から体調不良を理由に来院。
生活の変化が原因かと当初考えられたが、生活環境を改善したり、対症療法を行っても改善しないため検査を実施した。
1、腹部超音波検査
超音波検査において生まれつきの体の構造の異常である血管を確認(シャント血管)
脾静脈から門脈への血液の流入を確認した。
2、血液検査
1の超音波検査を受けて、全体的に臓器を観察するスクリーニング検査と共に、門脈シャントの診断に重要なアンモニアや総胆汁酸の測定を行ったところ、顕著な高値が得られた。
3、腹部レントゲン検査
レントゲン検査では正常よりも小さい肝臓と、門脈シャントに特徴的なやや腫大した腎臓が確認された。
診断:脾静脈ー門脈シャント
治療方法
当疾患の根治療法は外科手術によるシャント血管の閉鎖が重要となるが、シャント血管が太かったことと若齢であるため、内科療法で経過観察を行い、時期を見て外科手術を行うことになった。
治療・術後経過
ご家族と相談し、二次診療施設での手術を行うこととなった。
術後は良好に回復し、現在健康的な生活を送ることができている。
経過観察中
担当医:白井顕治
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