進行した歯周病の正確な診断は、麻酔下での探索と歯科レントゲンにより下されます。
通常、ほかの腫瘍などによる手術においては、麻酔をかける前から診断が下っているため、これから麻酔をかけて、その間にどのような手術を行うかを術前にインフォームドコンセントできます。当院で歯科処置を実施する場合には、麻酔回数を減らす都合上、麻酔中に診断し、そのまま治療を行っていきますので、術後に治療内容をお話しすることとなります。
複数本数の抜歯が予測される場合には事前にお話しさせていただきますが、予想していたよりも抜歯本数が多かったとしても、後日歯科レントゲンを確認しながら抜歯に至った理由をご説明させていただきます。
時折、「あんまり抜くとかわいそうだから、ここまでにしておいた」というような話をする方がいらっしゃいますが、すでに悪いことが明らかな歯をせっかく麻酔をかけたのにもかかわらず口腔内に残しておく方が、将来的にはかわいそうな結果となってしまうため、きちんと治療を実施しましょう。
実績詳細
ポメラニアンの口腔外科(抜歯・縫合・スケーリング)
種類 | ポメラニアン |
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年齢 | 4歳 |
診療科目 | 歯科 |
症状 | 口が匂う |
症状の概要
検査結果
症例はこれまで何度か無麻酔下での歯石除去処置を他施設により実施していたが、この度、口臭が改善されないため、当院にて処置を希望。
全体的に中程度から重度の歯周病を患っており、所により歯槽膿漏となっていた。
麻酔下で撮影した歯科レントゲンからも、歯槽骨が完全に融解している歯が複数本数確認されたため、必要な個所に対して抜歯、縫合、スケーリングを実施することとした。
治療方法
歯科レントゲンの診断をもとに、歯周病の進行した歯に関しては抜歯、縫合が必要な個所に対してはフラップ形成と歯肉縫合を実施し、残すことができる歯に関してはスケーリング及び歯周ポケット内の清掃を実施した。
単純抜歯12本
分割抜歯6本
縫合箇所4か所
治療・術後経過
術後および翌日に肺炎予防としてネブライザーを実施し、退院とした。翌日より食欲も良好であった。
歯肉縫合を実施したため、術後14日間は柔らかい食事の給餌を行い、縫合部が生着したことを確認した後にカラー除去と、通常食の給餌を開始した。
また、再発予防のための口腔ケアの指導を実施した。
経過良好
担当・執刀医:白井 顕治
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