本症例のような全身性の感染症が発生する場合、単純な感染症である場合と、本人の免疫力に何らかの欠陥があるために感染が悪化してしまう場合が考えられます。
免疫が低下する要因として、ウイルス感染や先天性の骨髄低形性、腫瘍性疾患、慢性疾患の保有、栄養不良、内分泌疾患などがあげられる。
本症例では、消化管壁がびまん性に肥厚していたが、それが基礎疾患であったのか、全身性に真菌性敗血症が起きた結果なのかは明らかにできなかった。
実績詳細
雑種猫の真菌性深在性膿皮症
種類 | 雑種猫 |
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年齢 | 2歳 |
診療科目 | 消化器科 皮膚科 |
症状 | 皮膚病が治らない |
症状の概要
検査結果
症例は半年間ほど抗生剤と抗真菌薬を内服しているが、皮膚症状が改善しないという主訴だった。
真菌の有無を判別するため、wood灯検査を実施したところ、全身のところどころに要請の被毛が確認された。(皮膚糸状菌感染被毛陽性)
併せて消化器症状(食欲不振)も出ており、皮膚症状の影響か長期間に及ぶ内服の影響下の判別がつかなかったため、休薬した。
休薬後、皮膚症状は悪化し、消化器症状の改善も認められなかった。
エコー検査を実施したところ、小腸や結腸などの複数の消化管が肥厚していた。
また、後肢の皮下から排液した膿を鏡検したところ、多数の菌糸が確認された。
ーー細胞診所見ーー
得られている円形や類円形の細胞はマクロファージと考えられ、真菌が認められることから、感染性の化膿性肉芽腫性炎と考えられます。
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治療方法
初めに内服していたものとは異なる種類の抗真菌薬の内服を複数服用した。
治療・術後経過
抗菌薬による治療効果が出る前に予後不良となった。
担当医:白井 顕治
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