非炎症性に体幹部やしっぽに脱毛を認める場合には、ホルモン関連性の脱毛症を疑う。こうした疾患の中では、副腎や甲状腺などの疾患が多く認められるが、そのほかのホルモンとして性ホルモン性の脱毛がある。
脱毛が認められる場合には皮膚の構造が弱くなるため、散発的に細菌感染である表在性膿皮症が発生しやすく、再発しやすい状態となる。
実績詳細
性ホルモン性脱毛を疑うトイプードル
種類 | トイプードル |
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年齢 | 13歳 |
診療科目 | 皮膚科 |
症状 | 皮膚病が治らない |
症状の概要
検査結果
症例は背部に散発的に表在性膿皮症になっておりスキンケア療法にて治療中であった。
外見上特長より、体幹部の被毛が薄くなり、四肢や頭頚部の被毛に大きな異常が認められないことや、体感の脱毛に炎症を伴わないことから、内分泌性脱毛を疑っていた。また、抜毛検査(トリコグラム)においては毛軸のメラニンに軽度の異常が認められたものの、クランプは認められないことから単色もしくは黒色被毛脱毛症は除外した。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)や甲状腺機能低下症などの異常の存在を疑い、血液検査やエコー検査を実施したが、異常は認められなかった。
症例は未去勢の雄であることから、除外診断の結果として性ホルモン性脱毛が疑われた。
治療方法
症例は高齢であるということと、現在皮膚疾患についてはシャンプー療法で何とかコントロールができているということと、去勢手術を実施しても確実に発毛してくるという確約が得られないため、現在と同様外用療法で経過を観察することとなった。
治療・術後経過
現在経過観察中
担当医:白井 顕治
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