はじめに
この記事では、ペットの呼吸器症状について掲載させていただきます。
呼吸器症状とは
呼吸器症状とは、呼吸器に関連するもので、主に
発咳(はつがい)
くしゃみ
などの症状に加えて、異常な呼吸様式を示す
努力呼吸、喘鳴、ストライダー、呼吸速迫、奇異性呼吸などがあります。
病気の場所と、発生する症状の違い
どの病気だと、どの症状を出すというよりかは、呼吸器のどこが異常だとどのような症状が出るかという事を考えて診察を行っていきます。
例えば、鼻腔内がおかしい場合には、呼吸時の鼻音や、鼻汁、くしゃみや努力呼吸が認められます。
それに対して肺で異常が起きた場合には、発咳や呼吸速迫が主な症状になってきます。
どこで異常が起こっているかという事を見つけるのに有用な検査として、画像検査のレントゲン写真撮影検査やCT、透視、最近ではエコーなども応用されるようになってきました。
どのような異常が起きているのか?
症状や画像診断において、どこで異常が起きているかが分かった場合には、次にどのような異常が起きているかを見ていきます。
呼吸器はその他の臓器と比較して病変部分の細胞を得ることが難しいため、多くの場合獣医療ではヒストリーや血液検査、試験的な治療に対する反応などにより病気を推定していきます。
どの臓器が最も重要という事は一概には言えませんが、呼吸ができなくなってしまった場合には1分と絶たずに絶命してしまう危険があるうえ、蘇生したとしてもそもそも呼吸器疾患により絶命するほどの呼吸機能が悪化しているため、予後は非常に悪いといえます。
中には、咳が出てるけど、食事してるからまあいいかな・・・という理由で数か月放置されてしまうペットもおり、そういったペットはすでに助けられない状態まで気管支が弱ってしまっている場合もあります。
咳が出たらすぐに病院へ、とまでは言いませんが、数日から1週間ほど咳やくしゃみが続いた場合には、病院を受診しましょう。
当院では呼吸器担当の獣医師が在籍しております。
ワンちゃんや猫ちゃんの異常な呼吸や発咳が認められた場合には、お気軽にご相談ください。
千葉県佐倉市の志津・佐倉しらい動物病院
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)副院長
獣医師、医学博士、日本動物病院協会(JAHA)内科認定医・総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。