胆嚢粘液嚢腫は犬の胆嚢壁に発生する疾患で、小型種、トイ種のワンちゃんに多く認められる。発生して進行すると、本症例のように胆嚢壁の血行を傷害することによって胆嚢絵師を引き起こし、最終的に胆嚢破裂、胆汁性腹膜炎を起こす。症状は元気消失や食欲不振、下痢や嘔吐、黄疸などが認められることが多いが、閉塞した部位や時期によっては認められないこともある。ごく初期に発見され、胆嚢絵師や破裂に至るのに時間がかかりそうな場合には無治療で経過観察を行う場合も多い。
実績詳細
胆嚢破裂をしたトイプードルの胆嚢摘出
検査結果
症例は健康診断でドックを受診したところ、偶発的に胆嚢粘液嚢腫が発見された。
成熟した胆嚢粘液嚢腫であり、そう遠くないうちに破裂する恐れがあるため、手術の予約を組んだ。
手術予定日前日に点滴入院を行い、検査を実施したところ、破裂していることが確認されたため、予定通り胆嚢摘出を実施することとなった。
治療方法
腹腔内には、飛散した胆嚢粘液嚢腫の構造物が認められた。
胆嚢を肝臓から剥離して、摘出した。
胆管の疎通を確認し、手術終了とした。
治療・術後経過
ー-以下病理所見ー--
摘出された胆嚢では、粘膜は広範囲の壊死に陥っています。胆嚢内腔には多量の粘液の貯留が認められ、胆嚢粘液嚢腫から壊死に陥ったと判断されます。顕著な炎症や腫瘍性の病変は認められません。
ー--
症例は術後食欲が安定しなかったが、もともと自宅が好きな性格であったため、退院し、その後調子が安定した。
経過良好。
担当医・執刀医:白井 顕治
お気軽に
ご相談ください
志津しらい動物病院043-462-1122 受付時間 9:00~11:30 15:00〜18:30
佐倉しらい動物病院043-483-1212 受付時間 9:00~11:30 14:00~17:30