SCCEDsはボクサー潰瘍、無痛性角膜潰瘍、無痛性角膜びらん、再発整備Lan、難治性角膜上皮びらんなどと同じ病気であり、これらは同じ病態に対する略称、俗称である。SCCEDsは、(Spontaneous chronic corneal epithelial defects)の略語である。
ボクサーが多いとされているが、日本国内でのボクサーの飼育頭数はそこまで多くないため、ほかの犬種での発症が多い様に感じます。シーズーやチワワ、フレンチブルなどの短頭種で確認することが多いです。
年齢は10歳未満程度の中年齢で、通常は片側に起こります。角膜実質と角膜上皮の結合が弱くなるために発生することが知られています。
俗称の中に無痛性角膜潰瘍というものがありますが、軽度~中程度の痛みを示すことが多いため、無痛ではない印象を受けます。診断は今回の症例のように、角膜染色を行った後に綿棒で軽くこすることによって潰瘍部分がめくれ上がる現象を確認することによります。綿棒でこすったせいで潰瘍が広がってしまうように感じますが、角膜実質と角膜上皮が正常に結合していて、単純な海洋だった場合には綿棒でこすっても潰瘍が広がることはありません。
治療方法として、乾いた綿棒でこする、ラウンドバーで角膜表面を削る、微細な刃物(多くは注射針の先端)で角膜表面を格子状に切開するなどの治療方法がありますが、これらの方法を用いた場合、治癒率は80%のほどであり、完治しない場合には、手法を変えて繰り返すことによって、治療していきます。
実績詳細
シーズーのSCCEDs(自発性再発性角膜潰瘍)
種類 | シーズー |
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診療科目 | 軟部外科・整形外科 眼科 |
症状 | 眼を痛がっている。涙が多い |
症状の概要
検査結果
左目に対して痛みを感じており、羞明、流涙、結膜充血が認められた。
表面麻酔を行い角膜染色を行って検査を行ったところ、綿棒による弱い刺激に対して角膜がめくれ上がる特徴的な所見が得られたため、SCCEDsと診断した。
治療方法
慢性的な疼痛があったという事もあり、目の周囲を触られることに過度な動きを示していたため、鎮静を行い角膜表面格子状切開術を実施した。
治療・術後経過
術後、角膜保護剤、抗生剤、消炎剤の点眼及び内服を行い、角膜再生を促している。
経過観察中
担当医:白井顕治
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