犬において潜在精巣は比較的よく認めらる遺伝的な異常であるといえる。
精巣が正常に発達することができず、高い確率で腫瘍化することが知られているため、潜在精巣である場合には若齢期(1~2歳程度まで)に摘出手術を受けることが推奨されます。
実績詳細
チワワの両側性の精上皮腫(セミノーマ)
種類 | チワワ |
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年齢 | 12歳 |
診療科目 | 腫瘍科 |
症状 | 鼠経が腫れている |
症状の概要
検査結果
症例は幼少期から両側性の潜在精巣(陰睾・停留睾丸)であることがわかっていたが、去勢手術(睾丸摘出)は実施していなかった。
この1か月で急速に睾丸が腫大してきたことから、腫瘍化したと考え摘出することとなった。
治療方法
右側の睾丸が有意に腫大していることがわかる。
腫瘍が疑われていることから、両側の睾丸を総鞘膜を開かない閉鎖式で切除を行った。
治療・術後経過
切除後、術創は良好に癒合した。
ーーー以下病理結果所見ーーー
左右の精巣では、精子に分化する生殖細胞に由来する腫瘍である精上皮腫が形成されています。
検索した組織では、腫瘍は精巣内に限局しており、被膜を超える浸潤や精索断端への浸潤像は認められませんが、精上皮腫では、稀に転移性病変の形成が報告されています。
摘出状態は良好で、今回の切除により予後は良好と考えられますが、やや大型の病変が形成されていたことから、念のため、経過観察をお勧めします。
病理検査結果を受けて、術後の補助治療は実施せずに経過を観察していくこととなった。
現在経過観察中
執刀医:白井 顕治
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