糖尿病におけるインスリン療法はまず①インスリンの種類を決めることと、②インスリンの量を決めることが非常に重要である。また、インスリンは非常にデリケートな薬剤なので、その取扱いも注射を行う飼い主様全員が理解することが大切になります。また、糖尿病の管理の目標は、白内障や末梢血管障害を起こさないように、ケトアシドーシスや低血糖に陥らないように維持管理をしていくことが重要となります。また、原発性ではなく膵炎や副腎皮質機能亢進症、卵巣腫瘍に続発するような二次性糖尿病では、原疾患の治療が糖尿病のコントロールに非常に重要となります。血統曲線をもとに適切な治療を行っていきましょう。
実績詳細
トイプードルの糖尿病管理
検査結果
症例は削痩しているが、元気食欲は良好であった。
尿検査において尿糖とケトン体が検出された。
以上より糖尿病が疑われたため、原発性糖尿病か二次性糖尿病化を明らかにするため、全身のスクリーニング検査を実施した。
血糖値は590mg/dl(正常は100mg/dl程度)程度を推移していた。
その他の内分泌系疾患は認められなかったため、原発性糖尿病と診断した。
治療方法
インスリンの種類と量を決定するため、数日間の内科入院とした。
レギュラーインスリンを使用し、血統曲線を作成した結果、良好な曲線が得られた。飲水量・尿量ともに正常範囲内(飲水量100ml/kg/day以下)になってきたため、食事療法とともに自宅でのインスリン治療を実施した。
治療・術後経過
途中、インスリンを増量し、現在は体重も徐々に増えてきている。
白内障の発生はしていない。
尿中のケトン体も検出されなくなった。
インスリンによって維持管理を継続していく。
担当医:白井顕治
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