写真のように外陰部上部の皮膚や軟部組織が多く、外陰部が覆われてしまっていると説明にあるような尿膣が発生しやすい。尿膣が発生すると、膣内の細菌数増加に伴い、尿道を上行しての感染性膀胱炎の発生を増加させることがわかっている。
この場合、根本的な治療としては本症例のような形成外科を実施することがあげられる。このような症例では、尿膣以外に外陰部周囲の皮膚炎を起こしてしまうことがあり、症例によっては非常に皮膚炎によって重度の疼痛を感じることもある。
実績詳細
フレンチブルドッグの尿膣に対する外陰部形成外科
種類 | フレンチブルドッグ |
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年齢 | 10才 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 泌尿器科 |
症状 | 膀胱炎を繰り返す。尿のにおいがおかしい |
症状の概要
検査結果
症例はクッシング症候群の既往症があり治療中の症例であった。
膀胱炎を繰り返すことが多いという主訴での診察であり、外陰部を観察すると、余剰の皮膚が外陰部を覆ってしまっており、精査すると慢性的に排尿された尿が膣内に残存する状態の尿膣であることが分かった。
治療方法
ご家族と相談した結果、手術による外陰部形成外科を実施することとした。
伏臥位にて外陰部周囲の余剰な皮膚を除去し、外陰部が露出するように形成を行った。
治療・術後経過
術後40日後の陰部の外観。
膀胱炎の再発は認められず排尿も正常に行えている。
治療終了とした。
担当医:白井 顕治
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