難治性角膜潰瘍は自発性慢性角膜上皮欠損症、ボクサー潰瘍、無痛性角膜潰瘍、難治性角膜上皮びらん、Spontaneous chronic corneal epithelial defect(SCCEDs)という名称で呼ばれることもある、現状では同一の病態とされている。
典型的には中年齢で多い疾患であるが、本症例のように若齢での発生も起こりえる。
綿棒によるデブリードメントやコンタクトレンズ単独での治療成績はそれほど高くないため、ラウンドバーによる角膜実質の研磨や細針による角膜格子状切開が実施される。しかし、これらの方法でも再発率がないわけではないため、より難治性の症例は3回、4回と角膜格子状切開を繰り替える必要がある場合もある。
実績詳細
ボーダーコリーの難治性角膜潰瘍(SCCEDs)
種類 | ボーダーコリー |
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年齢 | 2歳 |
診療科目 | 眼科 |
症状 | 涙が出る |
症状の概要
検査結果
症例は右眼から流涙を呈しており、角膜染色を実施し、綿棒で角膜表層を探索した結果、難治性角膜潰瘍(SCCEDs)であることが判明した。
治療方法
SCCEDsの標準的な治療として、剥離する部分のデブリードメントと細針による角膜格子状切開を実施した。
治療・術後経過
処置後はヒアルロン酸及び抗生剤の頻回点眼を行い、カラーを装着した。
処置後2週間後に再び角膜染色を実施し、角膜上皮の剥脱がないことを確認できたため、治療終了とした。
経過良好
担当医:白井 顕治
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