炎症性ポリープはミニチュアダックスフントに好発し、一部ではダックスポリープと呼ばれることもある。この病気は免疫の異常による病気であり、直腸の粘膜に限局した以上が現れる。
症状としては下痢、渋り、血便、粘膜便、粘血便などの症状に加え、脱腸が認められることもある。直腸検査において直腸粘膜の不整を触知するとともに、下部内視鏡検査のよる生検・病理組織検査によって確定診断される。
治療方法は内科療法と外科療法に分かれる。共通して言えることは、この病気は完治させるというより、症状を軽減させ付き合っていく病気であるため、手術を行えばその後は治療がいらないというようにはなりません。内科療法で維持管理が難しい状態になった時には、粘膜プルスルーや内視鏡による摘出を行い、症状の緩和を目指していきます。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの炎症性ポリープ
種類 | ミニチュアダックスフント |
---|---|
年齢 | 11才 |
診療科目 | 内科 消化器科 |
症状 | 血便可出る。脱腸する |
症状の概要
検査結果
症例を徒手にて直腸検査を行うと、直腸腹側に複数の腫瘤性病変が触知された。
下部内視鏡検査を実施し、ポリープを確認したため、スネアを使用してポリープを切除した。
切除中の写真と、切除後の様子
(内視鏡動画です。年齢制限されてしまいましたので、希望の方はYoutubeサイトでご覧ください)
摘出された腫瘤
ーーー以下病理検査ーーー
直腸より採取された複数の組織ではいずれも、大腸粘膜における陰窩の拡張と炎症反応から成り立っており、ミニチュアダックスフントに好発する炎症性ポリープと診断されます。
今回検索した組織では、明らかな腫瘍性の病変は認められませんが、多発傾向や病変の広がり、病状の進行について注意が必要です。
治療方法
今回の内視鏡処置によって、大まかなポリープ病変は除去したため、今後は内科療法で経過を観察してく。
ステロイド剤及びレフルノミド、抗生剤を使用し、食事療法と併用した。
治療・術後経過
治療開始翌日より渋りや脱腸は認められなくなった。
粘膜の不整が残っているため、まれに血液が便に付着することはあるが、大まかに病状はコントロールされている。
今後も症状に合わせて治療内容を調整していく。
担当医:白井 顕治
お気軽に
ご相談ください
志津しらい動物病院043-462-1122 受付時間 9:00~11:30 15:00〜18:30
佐倉しらい動物病院043-483-1212 受付時間 9:00~11:30 14:00~17:30