実績詳細

免疫介在性溶血性貧血を疑う雑種猫

種類 雑種猫
年齢 2歳
診療科目 内科 
症状 1週間前から食欲がない、元気もなく呼吸も早い

症状の概要

免疫介在性溶血性貧血(以下IMHA)とは自分の免疫の異常により、自分自身の赤血球を壊してしまう疾患である。原因は猫白血病ウイルスやヘモプラズマなどの感染や腫瘍により二次的に生じる場合と原発性に生じる場合がある。猫は犬と比較して発生率が低く、貧血が悪化することで重症化する。

検査結果

1週間前食欲が段々無くなり、他院にて発熱の指摘がありその治療をしたが改善がないとの事で来院。院内では口腔内粘膜が蒼白であり、活動性の低下と呼吸促迫を認めた。

 

胸部レントゲン検査および腹部超音波検査、血液検査を実施。

レントゲン検査では明らかな異常を認めなかったが、血液検査で重度の貧血(HCT:7.8%)を認めた。また、腹部超音波検査では消化管には明らかな異常は認めなかったが、脾臓が肥厚している所見が認められた。

検査所見よりIMHAと仮診断し、免疫抑制剤の投与を行うこととした。また、血液塗沫からは明らかなヘモプラズマなどの感染は認めなかったが、完全に除外ができていないため抗生剤の投与を実施していくこととした。猫白血病ウイルスは陰性であった。

 

治療方法

翌日より活動性および食欲は改善し、1週間後の血液検査ではHCT:30.0%であった。

その後1ヶ月おきに血液検査を実施しながら、内服を漸減しつつ経過を観察中である。

 

治療・術後経過

 

その後1ヶ月おきに血液検査を実施しながら、内服を漸減しつつ経過を観察中である。

 

 

担当医:吉川

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