好酸球性肉芽腫症候群は好酸球性プラークや好酸球性肉芽腫など、いくつかのアレルギー疾患の総称として認識されている。原因物質が明らかな場合はその部室を避ける。また、わからない場合にはステロイド剤などの免疫抑制剤を使用してコントロールする。同じ病気には無痛性潰瘍という名前もあり、痛みを呈することは多くない。
実績詳細
猫の舌に形成された腫瘤の切除(好酸球性肉芽腫)
検査結果
症例の口腔内は歯石が付着しており、中程度の歯周病であると言える。舌尖に平坦な腫瘤が確認された。
流涎がひどいわけでもなく、食事をする上でも特に支障は無いようであった。
好酸球性肉芽腫症候群や口内炎である可能性を鑑別するため、試験的にステロイド剤を1週間使用したが、腫瘤の領域はわずかに拡大したのみだった。
そのためご家族と相談した結果、麻酔下で舌尖の切除生検を実施することとした。
治療方法
スケーリングを行った後に舌の手術を実施した。
切除前の舌
出血しないよう鉗圧し、切除した。
その後、吸収私を用いて切除端を縫合した。
今回の手術では舌の約35%を切除した。
そのため、術後に摂食障害が一時的に起きる可能性が考えられたため、食道チューブを設置して手術終了とした。
食道チューブ設置後の確認のレントゲン
治療・術後経過
病理組織検査ーーーー
検索した舌の組織では、粘膜下に顕著な炎症が起こっています。病変内には、多数の好酸球浸潤が確認されることから、好酸球性肉芽腫と判断されます。本疾患は何らかのアレルギーの関与や特発性の免疫介在性疾患の可能性が示唆されている原因不明の疾患です。検査した組織内には、特異的な感染や、腫瘍性の病変は認められません。
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事前の病状からは扁平上皮癌が疑われたが、病理検査より非腫瘍性の病変であることが分かったので、今後は再発し次第ステロイド剤などでかいかを観察することとした。
今回のような壊死増の強い好酸球性肉芽腫はステロイド剤の効果が出にくいことがあるが、形成された場所として麻酔下で採材する必要があり、また、扁平上皮癌の後発部位でもあるため、手術を行った。
現在、口から食事を食べれるようにまで改善している。
また、再発もしていない。
経過良好
担当医:白井 顕治
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