猫にとって、ユリは腎障害を引き起こす毒物で、花弁、花粉、葉、茎、どの部分であっても等しく腎障害を引き起こす可能性がある。
どのくらい食べても大丈夫なのかという質問をよくいただくが、明確には決まっていない。体重当たりの摂食量は少ないに越したことは無いが、少量だからといって発生してしまうケースもあるため、場合によりますという回答になる。
急性毒性のため、毒性を出す量のユリを食べた場合には、ユリを摂食してから何日もたってから症状を出すというよりかは、数時間後から始まり、翌日・翌々日には腎不全症状を出してしまう。
急性腎障害を呈してしまった場合の救命率は決して高いとは言えない。猫を飼育している場合には、室内にユリを飾らないことが重要である。
また、吐かせるという処置だが、食べてから腎不全症状が出始めている場合には通常適応されない。(通常は誤嚥してから、無症状の場合に適応されます。)
実績詳細
雑種猫のユリの誤嚥
種類 | 雑種猫 |
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診療科目 | 内科 泌尿器科 |
症状 | ユリの花と葉を食べてしまった |
症状の概要
検査結果
ネコがユリの花を食べてしまったという事で来院
この症例は健常時から車で移動をすると動揺により嘔吐を呈することが多かった
移動途中にキャリー内で嘔吐をし、吐物の中に食べたものと対になる花と葉のかけらを確認した。
治療方法
症状は呈していなかったが、この症例は元から慢性腎障害の治療中であったこともあり、念のため皮下補液を行い治療終了とした。
治療・術後経過
経過観察を行っているが、症状に異常は認められないため、中毒症状が出ずに済んだと判断される。
予後良好
担当医:白井 顕治
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