佐倉しらい動物病院ブログ

【獣医師監修】犬と猫の腎臓病について解説:症状や対処法は?

腎臓病とは

腎臓病は、何らかの理由によって腎機能(糸球体ろ過率)が低下している状態を指します。

腎臓が生まれつき小さかったり機能が低かったりする場合のほかに、腎臓が腫瘍化してしまったり、様々な原因で腎臓の構造に異常が発生すると、腎機能が低下します。

腎機能って?

簡単に言えば、おしっこの量を調節する事、水の中に老廃物を濃縮して捨てることが腎臓のお仕事です。

また、血液の量を調節したり、赤血球を作る命令をする仕事などもしています。

(非常にかいつまんで記載しています。診断などの参考になるレベルではありません。)

濃いおしっこは正常?

色だけで、濃いかどうかは判断することができません。「濃い」とは、「比重が重い」ことを指します。水の比重を1.000として、1.030~1.045程度の尿であれば、正常範囲である可能性が高いです。

(検査時や、その尿を作成した際の体の水和状態によって判断が変わるため、比重のみで正常とは言えませんが、非常に濃い尿の場合は正常であると考えられます。)

薄いおしっこは、異常?

比重は見た目では決めることができませんが、比重の薄いおしっこは、透明に近いことが多いです。

ただし、水分摂取量が多い場合では、水分を排泄するために薄い尿(等張尿)を作成するため、【尿が透明=腎臓病】ではありません。

腎臓病の診断には、どんな検査があるの?

腎疾患を診断するための主な検査としては

血液検査、尿検査、エコー検査があげられ、そのほか病状など必要に応じて尿蛋白クレアチニン比の測定や血圧測定、心電図などがあげられます。

腫瘍が考えられる場合には細胞診が必要となることもあります。

現在国内では一般的ではありませんが、より細かく腎疾患を分類するためには、腎生検を行う必要があります。

【症例:検診にて慢性腎障害が発見された猫

検査ではどんなことがわかるの?

腎臓が正常を管理しているのが血液

血液を材料に腎臓が作成したものが尿

尿量を調節した結果、血管に残っている血液の量が血圧として反映されます。

また、尿中に必要なものであるたんぱく質を捨ててしまっていないかを調べる尿蛋白クレアチニン比や、電解質異常の結果として不整脈が検出されることもあります。

症例:ベンガルの慢性腎障害の内科管理

腎臓が悪いとどんな症状が出るの?

あくまで典型的な、腎臓が悪くなる過程を書きます。

正常な状態から少し腎機能が低下すると、尿の濃縮尿が低下するため、薄い尿を大量に出す時期があります。(多尿期)

この時期は、あまり水を飲んでいないのにもかかわらず、たくさんおしっこが出てしまうため、喉が渇くので仕方なく水を飲みます。

その後、多尿期が継続して、腎臓が廃棄すべき老廃物(窒素関連の化合物)の処理が薄い尿では間に合わなくなり、高窒素血症に進行します。

ある程度、高窒素血症が進行すると、吐き気や粘膜の痛みが出るため、食欲の低下や体重減少が認められます。

この時期は、尿の量は正常と同じくらいになっています。

より進行して、高窒素血症によって多臓器不全が発現するレベルに達すると尿毒症という診断になります。

この時期には尿を作成する能力自体が低下して、乏尿期となります。

さらに進行すると一切尿を作成しない無尿期となりますが、血液透析治療をせずに無尿期に入るほど生きることま難しいと考えられます。

予防のためには?

腎臓病の進行予防のためには、何よりも早期に発見してあげることが重要です。

様々な情報がありますが、放っておくと残存している腎臓の機能が20~30%にまで下がると、初めて人間が気づく症状を出すといわれています。

症状が出るまで待っていると、残り30%まで腎機能が低下してしまうため、症状が出ていないうちから健康診断を受けることが一番の予防であると考えられます。

どんな治療があるの?

診断時の進行の程度によって、水を飲ませてあげるだけの対症療法から、食事療法、内服薬やサプリメント、給餌や栄養チューブの設置を考えるような場合まで様々です。

まとめ

犬と猫の腎臓病は、以前では腎不全と呼ばれていましたが、現在では腎障害と呼ばれることが多いです。慢性の場合には慢性腎障害(CKD)と呼ばれます。

CKDは比較的発生率が高く、様々な原因で起こることがあります。

日ごろから検査を実施して、早期発見と進行予防をして付き合っていってあげましょう。

著者プロフィール

白井顕治(しらい けんじ)院長

獣医師、医学博士、日本動物病院協会(JAHA)内科認定医・総合臨床認定医

千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。

当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。

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