チワワは小型犬種、短頭種に分類される犬種で、国内でも人気が高く飼育頭数の多い犬種です。
また、交雑種としてそのほかの犬種(ダックスやポメラニアン、マルチーズ)などと掛け合わせられることもあります。
血統の出方によっては、純血種でなくてもチワワに発生しやすい疾患が発生することもあります。この記事では、チワワに発生しやすい代表的な4つの疾患について紹介します。
歯周病
チワワは小型種・短頭種であるため、上顎骨・下顎骨がともに小さく歯が密集しているため、歯石が溜まりやすい犬種です。
結果として歯周病に罹患しやすい傾向にあります。
対策としては定期的な歯磨きやデンタルケアを行うことが上げられます。
心臓病
チワワは弁膜症による僧帽弁閉鎖不全症の好発犬種です。一般的な犬種においては、5-8歳程度から弁膜の変性と血液の逆流を認めるのに対し、好発犬種でより早期に発症するケースの場合には3-5歳程度から逆流が認められることもあります。
5歳以下であっても、ワクチン接種時にしっかりと聴診を行い、早期から検診を行って病気を把握していることが重要といえます。
膝蓋骨内包脱臼
いわゆるパテラと呼ばれている疾患で、これはチワワに限らず小型犬種、トイ犬種に多く認められる疾患です。
膝のお皿の骨(膝蓋骨)が、内側に向かって脱臼してしまっている状況で、程度によって破行が出ることもあれば、ごく軽度であることもあります。
根本的な治療は手術による脱臼の整復となります。
(犬種が異なりますが、疾患の紹介です)
水頭症
チワワで有名な疾患といえば水頭症というのが良く出てくると思います。マルク、リンゴのような頭蓋骨なので、アップルドームヘッドと呼ばれることもあります。
チワワは基本的にはほかの犬種と比較すると脳室が拡張しがちなため、水頭症という診断は画像診断に加え、水頭症を疑わせる症状があることが必須となります。
また、水頭症と診断された場合には、基本的には内科療法はあまり効果を示さないため、外科治療の適応となります。
まとめ
その他、皮膚疾患やヘルニア、骨折や難産のリスクもリスクの高い犬種であるといえます。
チワワは小型犬種であり、日本国内でも飼育しやすい犬種と考えられます。発生しやすい病気を知って、適切に予防してあげましょう。
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士
日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。