佐倉しらい動物病院ブログ

【獣医師監修】チワワがなりやすい病気4選について解説

チワワは小型犬種、短頭種に分類される犬種で、国内でも人気が高く飼育頭数の多い犬種です。

また、交雑種としてそのほかの犬種(ダックスやポメラニアン、マルチーズ)などと掛け合わせられることもあります。

血統の出方によっては、純血種でなくてもチワワに発生しやすい疾患が発生することもあります。この記事では、チワワに発生しやすい代表的な4つの疾患について紹介します。

歯周病

チワワは小型種・短頭種であるため、上顎骨・下顎骨がともに小さく歯が密集しているため、歯石が溜まりやすい犬種です。

結果として歯周病に罹患しやすい傾向にあります。

対策としては定期的な歯磨きやデンタルケアを行うことが上げられます。

チワワの永久歯欠損の確認
犬では平均して生後4~5か月程度で入試から永久歯に歯が生え変わり始め、生後7か月になるころにはハエ代わりが終わるといわれている。また、生後7...

心臓病

チワワは弁膜症による僧帽弁閉鎖不全症の好発犬種です。一般的な犬種においては、5-8歳程度から弁膜の変性と血液の逆流を認めるのに対し、好発犬種でより早期に発症するケースの場合には3-5歳程度から逆流が認められることもあります。

5歳以下であっても、ワクチン接種時にしっかりと聴診を行い、早期から検診を行って病気を把握していることが重要といえます。

チワワの僧帽弁閉鎖不全症の診断と治療
房室弁逆流はは遺伝的な弁膜の粘液腫様変性のような弁膜症の結果として起きることが多い。日本国内の疫学としてはキャバリアやマルチーズ、チワワ、シ...

チワワの気管虚脱(グレードⅣ)
気管虚脱は若齢もしくは中高齢の小型犬に好発する気管軟骨の脆弱化や気管の膜性壁の指間などが原因で気管腔が狭小化することにより生じる症状です。異...

膝蓋骨内包脱臼

いわゆるパテラと呼ばれている疾患で、これはチワワに限らず小型犬種、トイ犬種に多く認められる疾患です。

膝のお皿の骨(膝蓋骨)が、内側に向かって脱臼してしまっている状況で、程度によって破行が出ることもあれば、ごく軽度であることもあります。

根本的な治療は手術による脱臼の整復となります。

(犬種が異なりますが、疾患の紹介です)

トイプードルの膝蓋骨内方脱臼(パテラ内方脱臼)の手術
膝蓋骨脱臼(ラテン語でパテラ)とは 膝蓋骨が外側もしくは内側に脱臼やゆるみがある状態のことを指し、膝の屈曲・伸展のたびに膝蓋骨が脱臼し...

水頭症

チワワで有名な疾患といえば水頭症というのが良く出てくると思います。マルク、リンゴのような頭蓋骨なので、アップルドームヘッドと呼ばれることもあります。

チワワは基本的にはほかの犬種と比較すると脳室が拡張しがちなため、水頭症という診断は画像診断に加え、水頭症を疑わせる症状があることが必須となります。

また、水頭症と診断された場合には、基本的には内科療法はあまり効果を示さないため、外科治療の適応となります。

まとめ

その他、皮膚疾患やヘルニア、骨折や難産のリスクもリスクの高い犬種であるといえます。

チワワは小型犬種であり、日本国内でも飼育しやすい犬種と考えられます。発生しやすい病気を知って、適切に予防してあげましょう。

チワワの胆嚢粘液嚢腫による胆嚢壊死
胆嚢粘液嚢腫は小型腫やトイ種の犬に比較的よく発しする胆嚢粘膜由来の病変である。腫瘍性の病気ではないものの、徐々に胆嚢内に粘液が貯留することに...

難産のチワワの介助および帝王切開
出産は正確な交配時期がわかっていれば、およその出産時期があらかじめ分かります。また、出産という行為は生理的な動作の中で最も命の危険が伴う行為...

著者プロフィール

白井顕治(しらい けんじ)院長

獣医師、医学博士

日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医

千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。

当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。

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