本症例のように、副腎に由来腫瘍は健康診断や体調不良時に偶発的に発見されることがある。
現在では、副腎腫瘍の形状や石灰化、血流の入り方や大きさなどから、悪性・良性の推測や機能生か非機能成果の判定を行い摘出を行うかどうかを考えていく。
実績詳細
ケアンテリアの腸重積の手術と副腎腺腫の摘出
種類 | ケアンテリア |
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年齢 | 14歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 腫瘍科 |
症状 | 元気がなく食欲がない |
症状の概要
検査結果
超音波検査を実施したところ、腸重積が認められた。
また、偶発所見として22mmほどの右副腎腫瘤を認めた。
ご家族と相談した結果、腸重積の解除及び副腎腫瘍の摘出を実施することとなった。
認められた副腎腺腫
治療方法
腸重積部分を確認・切除して、端端吻合を実施した。
また、副腎腺腫に関してはバイポーラーを用いて切除を行った。
摘出された副腎腺腫
ーーー以下病理所見ーーー
副腎の腫瘍は、副腎皮質細胞由来の良性腫瘍と判断されます。腫瘍は皮質内に限局しており、腫瘍の分化は高く、明らかな悪性所見は認められません。やや大型の結節が形成されていますが、周囲は被膜構造や正常な副腎組織により覆われており、摘出状態は良好です。今回の切除により、予後良好である可能性が高いと考えられます。
小腸では、広範囲にわたり粘膜の壊死が起こっています。臨床的に重積があったことから、重積による循環障害により引き起こされた変化と考えられます。病変は広範囲に広がっていますが、マージン部には病変の波及は認められません。また重積の基礎疾患となるような炎症や腫瘍性の病変は認められません。
治療・術後経過
症例は順調に回復し、退院となった。
経過良好
担当医・執刀医:白井顕治
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