短頭種気道閉塞症候群の中で一般的に手術で改善できる構造の異常として今回手術を行っている外鼻孔の狭窄と軟口蓋の過長があげられる。その他の異常である鼻腔狭窄や気管低形成は手術難易度が非常に高いため、行うことができる施設が限られる。
短頭種気道閉塞症候群に関しては、手術で完治することを目的にするというより、より良好な呼吸状態を長く保てるように実施することを目的としている。そのため、手術を行えば、一生、どのような体形になっても必ず安定した呼吸が得られるというわけではありません。また、一生のうち、いつ手術を実施しても同じ結果が得られるかというと、そうではありません。慢性的に呼吸障害があった場合には、中年齢~高年齢における手術はよりハイリスクとなることが報告されているため、将来的に呼吸不全となりそうな場合には若齢期のうちに外科的な改善を行った方がよいと考えられます。
実績詳細
フレンチブルドッグの軟口蓋過長症と外鼻孔狭窄に対する形成外科
種類 | フレンチブルドッグ |
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年齢 | 1歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 呼吸・循環器科 |
症状 | 避妊手術をする |
症状の概要
検査結果
症例は避妊手術を目的として麻酔をかけることとなった若齢のフレンチブルドッグであった。
避妊手術を行うにあたって問題はないものの、短頭種気道閉塞症候群として外鼻孔狭窄と軟口蓋過長症が求められたため、同時に手術を実施して改善することを勧めた。
治療方法
外鼻孔の術前の写真と術後の写真の比較
6mmの拡張を行った。
軟口蓋切除前と切除後の写真
切除後では喉頭が容易に観察できる。
治療・術後経過
術後より呼吸音の改善が認められ、経過は良好であった。
今後は加齢や肥満に伴って再び症状が増悪する可能性があるため、経過を注意深く観察していくこととした。
担当医:白井 顕治
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