実績詳細

若齢猫の皮膚糸状菌症

年齢 4か月
診療科目 皮膚科 
症状 耳の毛が抜けてる

症状の概要

皮膚糸状菌症は猫が一般的に保有している真菌(カビ)であり人にも感染することがある。また、人の真菌症が猫に移ってしまうこともあるため、ご家族も注意が必要である。診断方法としては今回の症例のように感染している被毛を検出することが最も重要である。PCR検査などもあるが、発症していない猫でも糸状菌を保有している可能性はあるため、PCR陽性結果だけでは診断はできない。
感染被毛は非常に脆弱で、弱い刺激でぽきぽきと折れてしまうため、患部のみ脱毛したように見える。
治療は毛根部から正常な毛が伸びてきて、感染被毛が消失したら終了となる。
通常本人はあまり患部を気にしないことが多いが、時にかゆみの症状を出すこともあるため、かゆみの有無も重要である。

検査結果

症例は左耳介の外側に境界明瞭な皮疹を伴わない被毛の薄い領域を認めた。

自覚症状はなく、本人は特に気にしていないということだった。

体表を精査したが、左耳介以外に脱毛は認められなかった。

 

年齢及び症状より、皮膚糸状菌症が疑われたため、wood灯検査を実施したところ、被毛に一致して陽性反応が得られた。

反応した被毛をスライドガラスに移し、顕微鏡で確認したところ被毛に糸状菌の感染が確認された。

以上より、皮膚糸状菌症と診断した。

 

 

治療方法

症例は若齢であるため、内服薬ではなく抗真菌薬の局所塗布剤を処方した。

治療・術後経過

本人の治療以外に、皮膚糸状菌症は人に感染する可能性があるということと、もしもご家族に皮疹が生じた場合には人の皮膚科を受診し、飼い猫から糸状菌が発生したことを伝えるようにご家族に伝えた。

 

糸状菌症は通常免疫力の低下している若齢の猫に発生が多いため、通常は成長とともに治療に反応して軽快する。

 

担当:白井 顕治

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