実績詳細

雑種犬の子宮蓄膿症、乳腺腺癌、スケーリング処置

種類 雑種犬
年齢 8歳
診療科目 外科 歯科 
症状 元気がない。よく水を飲む

症状の概要

子宮蓄膿症は典型的には未避妊・未経産の中年齢の犬の発情後に起きることが多いが、3歳ほどで発生したり、経産なのにもかかわらずなったりすることもあるため、あくまで典型的には、という表現となることに注意する。症状としては元気消失、食欲不振、発熱に加え、中で増殖している細菌によっては多飲多尿の症状が認められることもある。診断は血液検査及び腹部超音波検査で行うことができるため、比較的容易といえる。併せて乳腺にしこりができていることが多いため、注意深く観察する必要がある。
子宮蓄膿症は症状にバリエーションがあり、体力のある症例の場合にはほぼ無症状で、ややおなかが張っているというだけで元気食欲は全く問題のない場合もある。それに対して、敗血症を起こしており死が差し迫ってからの来院ということもあるため、対応はケースバイケースといえる。

検査結果

症例は未避妊・未経産の中年齢の雌犬であるため、稟告より疑わしい鑑別疾患として子宮蓄膿症が第一に挙げられた。

血液検査及び腹部超音波検査において子宮内に蓄膿と考えられる液体の貯留が認められたため、ご家族と相談して手術を実施することとなった。

また、乳腺部に小型のしこりが認められたため、併せて切除すること通した。

治療方法

手術は卵巣及び蓄膿した子宮の摘出、膣洗浄が主な内容であるが、子宮蓄膿を発症するような中年齢の雌犬の場合には毛刈り後に微細な乳腺部腫瘤が見つかることが珍しくない。

その場合には乳腺腫瘍の疑いがあるため、併せて切除を行い病理組織検査を実施している。

 

また、今回はご家族の希望により、麻酔後に体力的に余裕が合えるようであれば口腔内の清掃もという依頼があったため、併せて実施した。

 

開腹して子宮を確認している。左右の子宮が拡張している。

 

摘出した卵巣・子宮と、閉腹後の外観

 

 

確認されていた乳腺部のしこりを最小マージンで切除した。

 

 

また、術後に歯のクリーニングを実施した。

症例は歯周病の程度は軽度であり、スケーリング及びポリッシングのみ実施し、抜歯の必要がある歯はなかった。

治療・術後経過

 

 

ーー以下病理組織検査所見ーーー

 

 

2ヶ所の乳腺では、結節性の腫瘍性病変が形成されていますが、いずれも良性あるいは低悪性度に分類される腫瘍です。マージン部や脈管内に腫瘍性の病変は認められません。摘出状態は良好で、今回の切除により予後は良好と考えられます。
子宮では、慢性的な化膿性炎症が認められます。子宮内膜の過形成に二次的な細菌感染が起こったために蓄膿に至った病変と考えられ、組織学的には子宮蓄膿症と一致する所見です。
両側の卵巣では、明らかな病変は認められません。

 

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乳腺のしこりは2か所切除を行ったが、片側が低悪性度の乳腺腺癌だった。ご家族と相談した結果、摘出状態が良好であったというコメントも踏まえ、追加乳腺切除は行わず、経過観察を行っていくこととした。

 

術後より一般状態は回復し、術創も正常通り癒合した。

 

 

治療終了及び定期的な経過観察とした。

 

 

担当医・執刀医:白井 顕治

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