実績詳細

腰背部の日光性皮膚障害(日焼け)疑いのビーグル

種類 ビーグル
年齢 19歳
診療科目 皮膚科 
症状 背中に皮膚炎がある

症状の概要

外傷性の皮膚損傷の治療については、順序だてて治療を行うことが重要である。まずは毛刈りを実施して、病変部位を明らかにすること。次いで洗浄を行い死んでしまった皮膚や泥などの汚れがある場合には取り除くこと。この際、抗生剤は感染症が起こっていない場合には必須ではないことも多い。次に創傷部位の保護だが、これは皮膚損傷の回復度合い、看護できるレベル、場所、かけられる費用によって内容が変化する。保護を行うことをドレッシングと呼ぶが、創傷から排出される液体は吸収し、乾燥させず、抗菌効果があり、かつ創傷にくっつきすぎない、物理的にも創傷を保護できるようなものが理想とされる。
安価に済ませたい場合には滅菌したペットシーツや紙おむつ、女性の生理用ナプキンなども上記の性能を有している素材といえる。
創傷管理を行ったうえで、外科的な処置が必要となるケースもあるが、今回のケースにおいては洗浄と湿潤処置のみで表皮再生が完了した。真皮には障害が及んでいなかったため、引き連れなどは生じていない。

検査結果

症例はかなり高齢の犬で、自力で採食、排泄はできるものの、活動性は低い。

庭が好きな場所であるため、庭の日陰部分で寝ていたということだが、腰背部を調べてみると広範囲に皮膚の炎症が生じていた。

常在菌はいるものの、白血球の遊走は少なく、細菌貪食像もあまり認められなかったため、細菌感染性の炎症というより、外的要因により皮膚損傷の疑いを考えた。

日陰にいたということではあるが、活動性の低下した高齢犬であるため、日光性皮膚障害(日焼け、やけど)を疑った

治療方法

洗浄とワセリン塗布を繰り返し、皮膚の再生を促した。

 

 

治療・術後経過

初診日(第1病日)

 

第2病日

 

第14病日

 

2週間で両行に表皮再生が終了した。

炎症後に再生した皮膚のため、色素沈着が認められるが、生理的反応であるため経過観察とした。

 

また、腰背部は被毛が生えるまでに時間がかかることが予想されたため、再び庭に出す場合には洋服を着せたり、日焼け止めクリームの使用をするよう指示を行った。

 

 

担当医:白井 顕治

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